歯が溶ける原因は虫歯だけ?
酸蝕・知覚過敏との違い【五反田】
「奥歯がしみる」「歯が薄くなった気がする」と感じたとき、多くの方はまず虫歯を思い浮かべます。ただ、歯の表面が溶けたりしみたりする状態には、虫歯以外の道すじもあります。五反田の当院にも、虫歯だと思って来られた方が、調べてみると別の理由だったというケースがあります。虫歯の原因を考えるときは、まず「これは本当に虫歯なのか」を切り分けるところから始めると、対処の方向を間違えずに済みます。
この記事では、細菌がつくる酸によって進む虫歯と、飲食物の酸そのものが歯の表面を溶かす酸蝕、そして歯に病変がなくても起こる知覚過敏という三つを並べ、きっかけ・症状の出方・広がり方の違いを整理します。仕事の合間に受診される方が、限られた時間で的確に伝えられるよう、診察の場で役に立つ情報の伝え方もまとめました。
「歯が溶ける」には
二つの道すじがある
道すじ1|細菌がつくった酸で溶ける
ひとつめは、歯の表面に住み着いた細菌が食べ物の糖を材料にして酸をつくり、その酸が歯を溶かしていく道すじです。これがいわゆる虫歯です。細菌が活動する場所は、汚れがとどまる限られた範囲に偏るため、溶ける場所も点や線として狭い範囲から始まります。奥歯の溝、歯と歯の間、歯ぐきとの境目といった特定の場所に集中するのは、このためです。
この道すじの特徴は、進む場所が限られている一方で、いったん内部に入ると外から見えにくいという点にあります。表面の入り口は小さいのに、中で広がっていることも珍しくありません。
道すじ2|口に入った酸そのもので溶ける
もうひとつは、細菌を介さず、飲食物に含まれる酸が直接歯の表面に触れて溶かす道すじです。歯科ではこれを酸蝕と呼びます。炭酸飲料、スポーツドリンク、柑橘類、酢を使った飲料、ワインなどは酸性度が高く、頻繁に口にすれば表面が影響を受けることがあります。胃の内容物が繰り返し口まで上がってくる状態でも、同じことが起こり得ます。
虫歯との大きな違いは、範囲です。酸は口の中に広がって歯に触れるため、影響は特定の一点ではなく、複数の歯の表面に広くおよぶ傾向があります。「一本だけ黒い」ではなく「前歯全体のつやが変わってきた」「歯の先が薄く見える」といった形で気づかれることが多いのはこのためです。
酸蝕という言葉になじみがなくても、心当たりのある場面は意外と身近にあります。運動のあとにスポーツドリンクを少しずつ飲む、就業中にレモン系の炭酸をデスクに置いておく、寝る前にワインを一杯といった習慣は、いずれも酸性のものが口の中にとどまる時間を長くします。虫歯の話で「糖」に注目が集まるのに対し、この道すじで問題になるのは糖の有無ではなく、飲み物そのものの性質と、触れている時間の長さです。
しみるからといって、溶けているとは限らない
三つめの可能性が知覚過敏です。日本歯科医師会は、この症状を「冷たいものや甘いもの、歯ブラシの毛先が触れた時などに、歯に感じる一過性の痛みで、特にむし歯や歯の神経(歯髄)の炎症などの病変がない場合にみられる症状」と説明しています(参照:日本歯科医師会 お口のなんでも相談「しみる」 https://www.jda.or.jp/consultation/vol-02.html )。
つまり、しみること自体は虫歯の証明にはなりません。同じ会の説明では、歯の表面をおおう層がすり減って内側の層が出ている状態や、歯ぐきが下がって根が露出している状態が背景として挙げられています。強い力での歯みがき、歯ぎしりやくいしばりが関わることもあります。「しみる=削って詰める」ではないという点は、知っておくと受診の心構えが変わります。
もう一点、知覚過敏と虫歯は「進み方」も異なります。知覚過敏は、しみる日と平気な日があり、季節や体調で感じ方が変わることも珍しくありません。一方で虫歯による症状は、いったん出てくると同じ場所で繰り返し、日を追って程度が増していく傾向があります。数週間の間に良くなったり悪くなったりを繰り返しているのか、一方向に強くなっているのか。この見方は、受診までのあいだにご自身で観察できる数少ない手がかりです。
三つを見分ける手がかり
| 見るところ | 虫歯 | 酸蝕 | 知覚過敏 |
|---|---|---|---|
| きっかけ | 虫歯:汚れがとどまる場所で細菌が酸をつくる | 酸蝕:酸性の飲食物や胃の内容物が歯に直接触れる | 知覚過敏:表面の層のすり減りや歯ぐきの後退で内側が露出する |
| 出方 | 虫歯:初めは無症状。進むとしみる・痛むが続くようになる | 酸蝕:つやや色の変化、先が透けるなど見た目から気づかれやすい | 知覚過敏:一過性の鋭い痛み。刺激がなくなると引く |
| 広がり方 | 虫歯:特定の一点や一本から、内側へ向かう | 酸蝕:複数の歯の表面に、面として広くおよぶ | 知覚過敏:露出している部位に限られ、日によって変動する |
| 向かう対処 | 虫歯:進み具合により、経過を見るか、取り除いて詰める | 酸蝕:酸に触れる回数と時間を見直し、状態に応じて表面を保護する | 知覚過敏:刺激をやわらげる処置と、みがき方や力の見直し |
三つは排他的なものではなく、同じ口の中で重なっていることもあります。酸で表面が弱った歯は虫歯の影響も受けやすくなりますし、知覚過敏だと思っていた場所の奥に虫歯が隠れていることもあります。表は「どれか一つに決めるための道具」ではなく、「何を確かめるべきかを絞るための道具」とお考えください。
場所の出方が、いちばん分かりやすい違い
三つの中で最も見分けの手がかりになりやすいのが、変化が出ている「場所の広がり」です。細菌は汚れがとどまる場所にしか住み着けないため、虫歯は歯の限られた一点から始まります。左右で同じ位置に同時に、しかも同じ進み方で現れることは多くありません。
これに対して、口の中に入った酸は歯の並びに沿って広く触れます。前歯の裏側や噛む面が全体的に平らになる、歯の先が透けて見える、といった変化は、一本ずつ別々に起きたというより、同じ条件が全体に働いた結果と考えるほうが自然です。知覚過敏はまた別で、歯ぐきが下がっている部位や、強く磨いている側に偏って出ることがあります。利き手の側だけがしみる、という訴えが手がかりになる場合もあります。
自分で確かめられること・確かめられないこと
鏡の前でできるのは、変化が一か所なのか複数なのか、色が変わっているのかつやが変わっているのか、そして症状が刺激のあいだだけなのか続くのか、という三点の確認です。この三点だけでも、方向はかなり絞れます。
一方、歯と歯の間で起きていることや、表面の内側がどうなっているかは目では分かりません。表面のごく浅い変化と、内部まで進んだ状態を見た目で区別するのも難しいところです。切り分けの最終的な判断は、診察とレントゲンなどの検査を経て行われます。
五反田で原因を切り分けるなら
伝えると絞り込みが早い情報
限られた時間で受診される方ほど、最初の数分で伝わる情報の質が結果を左右します。次のような内容をあらかじめ思い出しておいていただけると、確認すべき方向を早く絞れます。
- 気づいたのはいつごろか。特定の日からなのか、少しずつなのか
- 症状が出るのは一本か、それとも何本かにまたがるか
- しみたあと、どのくらいで治まるか(数秒か、しばらく残るか)
- よく飲むものの種類と、飲む時間の長さ
- 歯ぎしりやくいしばりを指摘されたこと、朝のあごのだるさの有無
- みがくときの力加減と、使っている歯ブラシの硬さ
写真も役に立ちます。明るい場所で口を開けた状態を撮っておけば、来院までに変化があったかどうかを比べられます。症状が出る場面が決まっている場合は、その状況(冷たい飲み物か、風に当たったときか、噛んだときか)も添えていただけると、原因の候補が絞られます。
JR五反田駅に直結したアトレ五反田1の5階にあるアトレ五反田シティデンタルクリニックでは、次の体制でご相談を受けています。
- 昼の休憩を挟まず夜20時30分まで診療しており、休診日はありません。仕事の合間や退勤後に立ち寄れます
- 診療室は個室のため、短時間でも落ち着いて症状の経過をお話しいただけます
- マイクロスコープと歯科用CTを備え、表面の状態と内部の状態を分けて確認できます
- その日に方針を決めず、確認だけで帰っていただくことも可能です
- オンラインとLINEでのお申し込みは時間を問わず可能で、短時間枠のご相談にも対応します
当院の虫歯治療については虫歯治療のページを、しみる症状と噛み合わせの関係については噛み合わせ治療のページをあわせてご覧ください。
よくある質問
炭酸水をよく飲みますが、歯に影響しますか?
酸性の飲み物を飲んだあと、すぐ歯を磨いたほうがいいですか?
しみるのが数秒で治まるなら、放っておいて大丈夫ですか?
虫歯と酸蝕は、同時に起こることがありますか?
レントゲンを撮れば、原因はすべて分かりますか?
まとめ|虫歯の原因を探す前に、虫歯かどうかを分ける
歯が溶けたりしみたりする背景には、細菌がつくる酸で進む虫歯、飲食物の酸が直接触れて起こる酸蝕、そして病変がなくても生じる知覚過敏という、性質の異なる状態があります。原因が違えば、見直す生活も、行う処置も変わります。
手がかりになるのは、範囲が一か所か広い範囲か、変化しているのは色かつやか、症状が刺激の間だけか続くか、という点です。ただし最終的な違いの判断は検査を経てのことになります。五反田で気になる変化があれば、思い当たる飲み物や癖もあわせてお聞かせください。
治療・経過観察に伴う注意点
注意点
- この記事の比較は原因を絞り込むための目安であり、症状の自己判断を目的としたものではありません
- 複数の状態が同時に存在することがあり、その場合は優先順位をつけて順に対応します
- 知覚過敏に対する処置は症状をやわらげることを目的としており、効果の持続には個人差があります
- 酸に触れる回数を見直しても、すでに失われた歯の表面が元に戻るわけではありません
- 胃の症状が背景にあると考えられる場合は、医科への相談をご案内することがあります
おおよその費用
しみる症状の診察、虫歯の診査、レントゲン撮影、知覚過敏に対する一般的な処置は、健康保険の対象として受けられます。金額は、行った検査と処置の点数を合計したうえで、負担割合に応じた分だけをお支払いいただく形になり、内容によって来院ごとに変わります。見た目を整えることを目的とした処置や保険外の材料を用いる場合は自費診療となり、行う前に内容と金額をご説明します。
会計時に現金かクレジットカードかをお伝えいただければ、その場でご希望の方法で手続きします。
記載理由
医療広告ガイドライン(平成30年6月1日施行)の趣旨を踏まえ、歯がしみる・溶けるという症状の背景を把握したうえで受診を考えられるよう、注意事項として記載しました。
※注意点の現れ方には個人差があります。
虫歯治療の関連記事
-
監修 / 医療法人社団 翔翼会
理事長 村上 翔 - 私たちが実践するのは、あなたを“患者”ではなく「お客様」として丁寧にもてなすホスピタリティと、「大切な家族や友人にしてあげたい診療」です。大学病院レベル以上の設備と衛生環境を整え、一人ひとりのお客様に心から寄り添いながら納得していただけるベストな治療法をご提案してまいります。
※本記事は一般的な情報提供を目的としています。しみる症状や歯の表面の変化には複数の背景が考えられます。気になる場合は自己判断をせず、歯科医院での受診をおすすめします。
患者様の満足度調査を
実施しております。
少しでも患者様にとってより良い⻭科医療を提供するため、 第三者機関のNPO法人 日本⻭科医療評価機構に依頼をし、患者様の満足度調査を行っています。 患者様の率直なご意見をいただき、 改善すべき点は真摯に受け止めていきたいと思っています。当院には患者様の個人情報は一切伝えられませんので、是非、皆様の忌憚のないご意見をお聞かせください。NPO法人日本⻭科医療評価機構の調査結果はバナーよりご確認ください。
日本⻭科医療評価機構は、ネットで⻭医者を検索してみたが、どこに行けばいいか分からない、 診療時間や場所のメリットだけではなく、本当に信頼して通える⻭医者を探したい、 そんな患者様のために本当に信頼して通える⻭科医院を評価・認定することを目的とした組織です。